水辺に降立つもの

この手の話は、信じる信じないで意見が分かれますが、とりあえず、お話としてお聞き下さい。
つい先日のことです。

荒川某所で竿を出していました。
中々釣れません。
でも集中は切れずに、じっとウキを見つめていたときのことです。

ガサガサっと、釣り場に人が下りてきました。
常連さんかな・・・と思いつつ、そちらには目をやらずにウキを見つめていました。でも視界の端っこには、緑のシャツを着た男性が映っています。
その男性、中々場所を動きません。距離にして5メートルくらい先です。その場に立って、ジッと見ています。見ているといっても、私を見ているのではなく、仕掛けの先を見ている・・・という感じです。

いるんです、釣っているのを、ただジッと見ているギャラリーが。腕組みなんかして。
これは個人的には辛くて、ひと言声掛けて頂ければと思うのですが、「どれ、釣るところを見てやろうじゃないか」という雰囲気がプレッシャーとなり、集中力が欠けます。
しばらくジッと見ているので、イラっときてパッと見たら・・・・・いません。
その瞬間

「ああ、この世のモノではなかったか」

と妙に納得がいったのです。
というのも、この手の経験は何度もあるので怖いという感情よりも「またか」という感情なんです。水辺は多いですしね・・・・。

真昼間だからといって油断はできませんね。


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