2007年4月3日

●テナガエビって食べられるの?
●多摩川のテナガエビなんて食べて大丈夫?


食べてみたいけれど心配・・・そんな疑問について、私なりにお答えします。

テナガエビが多摩川で釣れるらしい。

こんな情報を知ったのが2005年でした。それ以前にも「テナガエビ釣り」なるものがあるということは知っていましたが、身近な場所で釣れるということが分かってソワソワしてしまいました。
何と!多摩川で釣ったテナガエビが食べられるというではありませんか。
これには驚きました。

『多摩川(下流)=汚い川』

というイメージだったので、食べて大丈夫?という疑問もありました。

実際に竿を出してみると、釣れる釣れる!
最初の釣行なのに、何十匹も釣れます。な〜んだこんな簡単な釣りなのか!・・・・と思ったのは初心者の浅はかさ、単にタイミングが良かっただけです、ハイ。
そして抵抗は若干あったものの、「食べてみたい!」という好奇心に負け、素揚げにして食べてみたところ・・・・・

先入観などスッ飛ぶほど、美味!!

なんだコレー!と感激する鮮烈な味には驚きました。これが私の『テナガ初食べデビュー』
この時はまだ『泥抜き』ということを知らず、釣ったその日に食べてしまっていたのですが、それでも美味だったことを考えると、食べるということに対して、先入観がいかに邪魔をするかということに気が付きました。揚げている時点で香ばしく食欲をそそる香りがしてくるので、それまで興味がなかった人でも「何だか旨そうな匂いがしてきたぞ?」となるのは間違いありません。

食って旨けりゃ、何となく秘密にしたくなるのが人の常。

秘密にしたくなるというよりも「多摩川で釣ったエビ、おいしいよ!」と言って、賛同してくれる人なんて殆どいないので、大声では言いたくない、というのが最初の気持ちでした。
「なんで多摩川で釣ったものなんか食べるの?」と気味悪がられる可能性だってあります。
どこで獲れたか分かんないエビを食ってるよりずっと安心なのに。
スーパーで売ってりゃ安心。
お金を出して買っているのだから安心。
・・・そんなのは馬鹿げています。

では多摩川で釣ったテナガエビを食べて、体は大丈夫?毒素は?と気になる方、当然の疑問でしょう。
それについて私なりに調べた結果を書きます。

1950年以前頃は、清流とまで謳われた多摩川でしたが、1950年後半から高度成長が始まり、水質が悪化してきました。
1960年、1970年になると農業、工業用水、家庭排水の垂れ流しにより更に水質は悪化。その結果、魚たちが棲めない『死の川』になってしまいます。
この頃の印象が今でも多くの人の記憶に残っているため、「多摩川の魚やエビは食べられない」と勘違いされていますが、現在では農地や工場が減り、排水や下水処理能力が向上したので、1950年頃の水質には程遠いとは言え、多くの生物が生息できる環境にまで戻りました。

しかし下流域の多摩川を見ると、ゴミがたくさん捨てられていますし、不法占拠の住人たちが好き勝手やっているので、見た目の印象が大変よろしくないのですが、六郷水門付近までいくと、その印象がガラリと変わってきます。食べてみても良いかな?という印象に変わるのではないでしょうか。

エビなどの甲殻類は他の生物に比べると体内の汚染度が高いのですが、環境濃度に影響されることは少ないとされています。
成長と共に体内に毒素が蓄えられて濃度が高くなるだけです。『汚染度』なんて書くとまるで毒の塊のような印象に聞こえてしまいますが、これは魚でも同じ、要するに食べ過ぎなければ良いだけの話です。


まだ食べていないという方は、ぜひ!お試し下さい。
最初のパリっとした食感、香ばしい匂い、小さいくせにモチっとしたエビ肉のおいしさといったら・・・・・きっと気に入ります。
お酒を召される方は、ビールとご一緒にどうぞ。止められなくなります!

管理人/Taka